肋間神経痛

肋間神経痛は、原因によって痛み方が異なり「急に電気が走るような痛み」や「ジクジクとした持続する痛み」などがあり、痛みの起こる場所は背中から脇腹、胸の前面やおへそ辺り、まれに足の付け根まで痛みを感じることがあります。

 

心臓・太い血管や肺などの内臓の疾患が原因で起こる胸の痛みとの違いは、痛む場所や範囲がはっきりしており、肋骨に沿って起こる比較的鋭い痛みということです。

特徴的なのは、上半身の右側か左側のみに起こり、特殊な場合を除いて左右両側に起こることはありません。

 

原因は様々で解明されていないものもありますが、明らかに原因がある場合を症候性肋間神経痛、明らかな原因がない場合を特発性肋間神経痛といいます。

 

症候性肋間神経痛の原因は、変形性脊椎症・胸椎椎間板ヘルニア・脊椎腫瘍など脊椎に原因がある場合、そして肋骨骨折や肋骨の腫瘍が原因となる場合があります。

これらが原因の場合は身体を動かした時、特に上半身を前後に曲げたり、左右に曲げたり廻したりすると痛みを強く感じることがあり、時には「息ができないほど痛い」こともあります。

 

脊椎や肋骨に原因がない場合に起こる症候性肋間神経痛の代表的なものは、帯状疱疹です。帯状疱疹は、帯状疱疹ウイルスが神経の中を通って皮膚に達して皮疹を起こす疾患ですが、胸部に発症すると肋間神経痛を起こします。帯状疱疹による肋間神経痛は、皮疹の有無に関わらず「ヒリヒリ」「ジクジク」とした皮膚表面の持続的な痛みを感じます。

 

前述のように肋間神経痛は1つの症状ですので、原因によって治療法は異なります。重症の肋骨骨折を除いて、外傷によって肋骨を痛めた時に起こる肋間神経痛は、消炎鎮痛薬の内服で治療できます。

脊椎の疾患が原因の場合は、MRI等の画像診断を含めて原因の重症度を診断したうえで、外科的手術が行なわれることがあります。

軽症の場合は、消炎鎮痛薬や神経障害性疼痛に有効な専用の内服薬、さらにリハビリテーションやストレッチなどの運動療法が行なわれることもあります。

帯状疱疹の場合は、発症早期の抗ウイルス薬の投与と、肋間神経痛が強い場合は神経障害性疼痛専用内服薬が有効な治療法です。

手術適応がなく内服薬でも治らない場合、また原因がはっきりしない特発性肋間神経痛の場合は、神経ブロックが適応されます。神経ブロックとは、痛みの原因となっている神経に局所麻酔薬や、消炎作用の強いステロイドを注射して治療する方法で、多くはペインクリニック科で実施しています。

程度や度合いによっては、当院でも対応可能なパターンがございます。ストレッチしたりマッサージすることで症状が軽減しますので、お気軽にご相談ください。

なかむら整骨院 寺田町院