外傷性頚部症候群・頚椎捻挫・頚部挫傷(むち打ち)

「むちうち症」とは、交通事故やスポーツ事故等で首に過度な外力が加わることによって、首周辺の筋肉・靱帯・関節包等の軟部組織が損傷し、痛みや運動制限等の症状が出ている状態をさします。

 

医学的には「外傷性頚部症候群」「頚椎捻挫」と呼ばれます。

特に追突事故等では、頭部が前後に激しく揺さぶられることにより、頚椎が鞭(むち)のようにしなる動きをするため「むちうち」と呼ばれるようになりました。

 

頚椎は、頭を支えながらも柔軟に動かせるよう構造的に繊細にできており、突発的な強い衝撃には弱い傾向があります。そのため、首に急激な屈伸や回旋動作が加わる

ことで、靭帯や筋肉に微細な損傷が生じ、炎症や神経の興奮を引き起こします。

 

症状は、受傷直後よりも数時間〜数日後に現れることが多く、首の痛みだけでなく、頭痛、めまい、吐き気、腕のしびれ等を伴うこともあります。

 

頚椎捻挫の主な原因として、最も多いのが、自動車の追突事故です。

特に後方から衝突された際には、首が一気に後ろへ反り返り、その反動で前方へ強く振られるという独特な動きが生じます。

この「むちがしなるような動き」によって、頚部の筋肉、靱帯、椎間関節、神経周囲の組織等に過伸展・過屈曲のストレスがかかり損傷を受けます。

 

他、ラグビーやアメリカンフットボール、柔道等のコンタクトスポーツでの事故や、スキー・スノーボードでの転倒なども首に強い外力が加わる原因となり「むちうち症」となるケースもあります。

 

更に、外的要因だけでなく、普段から肩こりがひどい方や、首・肩の筋肉が緊張している方、ストレートネックと診断されている方などは、首の構造的な柔軟性が低下しているため、軽微な衝撃でも症状が強く出る可能性があります。

また、日常生活での姿勢不良や長時間のデスクワークによる筋疲労も「むちうち発症」の下地になることがありますので注意が必要です。

 

外見上は軽症に見えても、長期間にわたり違和感が続くことがあるため、自己判断で放置せず、早期に医療機関を受診し適切な診断と経過観察・治療を行いましょう。

 

・急性期(受傷から1週間以内)

安静を保ち、痛みや炎症を抑えることが基本となります。必要に応じて頚椎カラー(頚椎固定帯)を装着し、首の動きを制限することで患部への負担軽減を図ります。

痛み止めやシップの処方が一般的ですが、痛みが強い場合は、トリガーポイント注射や神経ブロック注射を実施することもあります。

 

 

・亜急性期(1週間~3ヵ月)

リハビリテーションや温熱・低周波・牽引等の物理療法がとられます。リハビリでは、自動運動や他動運動で血流改善や筋肉の緊張緩和、可動域の回復を図ります。

 

 

・慢性期(3ヵ月~)

薬物療法やリハビリテーション、物理療法で症状が改善されない場合には、痛みやしびれの原因を精査し、手術を検討します。手術後、日常生活に復帰する際は、姿勢改善指導や首・肩の筋力を強化するストレッチの指導を実施し、再発を防止します。

 

痛めた直後は、肉体的にも精神的にお辛い状況だと思います。

当院では、お話をしながら患者様と二人三脚で症状の改善に向けて取り組んでいますので、

気になる症状がございましたら、お気軽に当院にご相談ください。

なかむら整骨院 寺田町院